インハウスデザイナーの仕事・育児・日々の奮闘雑記帳

はじめまして。教育関係の会社でインハウスデザイナーとして働いているほしぱんだです。
このページではインハウスデザイナーの稼ぎや仕事内容について解説していきます。
これから転職を考えている、稼ぎを増やしたいデザイナーさんの参考までに。

僕は今の会社に入る前にデザイン会社を2社経験しました。デザイン歴はこの時点で5年弱と自慢できるものではありません。
詳しくはプロフィールを御覧ください。

「稼ぎ」で見るなら断然インハウスデザイナー

いきなりお金の話なんて印象が悪いような気もしますが…家庭を持つとお金の大切さが身に沁みます。
誤解を生まないように、順を追って解説していきます!

デザイン事務所とインハウスデザイナーの違い

そもそもデザイン事務所勤務と一般企業勤務でデザインをすることには大きな違いがあります。

▼デザイン事務所
大手印刷会社やさまざまな企業からデザイン業務を受注するため、制作するモノの幅がかなり広く、表現や知識も一辺倒では通用しない経験が物を言う世界です。一昔前までは20年経験を積んで一人前とまで言われていました。

▼インハウスデザイナー
デザインをメイン事業としていない企業で働き、自社の広告物のみを制作します。自社のブランドイメージを長く育てていくため、サービス内容や企業理念、客層や働く人まで深く自社を知り尽くしている必要があります。

インハウスのメリット・デメリット

稼ぎが良いからと言ってインハウスデザイナーをオススメするわけではありません。
ハッキリいうと向き不向きがあります

▼インハウスのメリット

  • 自分でブランドを育てる使命感
  • 自社デザインに集中できる
  • デザイナー自体が少ないため重宝される

▼インハウスのデメリット

  • 自社デザイン以外に触れないためスキルアップが見込めない
  • ヒアリングやディレクション等高度なコミュニケーションが必要
  • デザイン業務以外にも多様な業務をこなす必要がある
ほしぱんだ
ほしぱんだ

デザイン一本で勝負をしていきたい人はデザイン事務所向き!
逆にデザインよりコミュニケーションや多様な経験を身に付けたい人はインハウスデザイナーがオススメ!

インハウスはなんで稼げるの?

ここはインハウスデザイナーとして務める企業によって異なるため一概に言えませんが、大きく理由は2つあります。

1.裁量労働制の導入が少ない

裁量労働制は、業務の性質上、それを進める方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある場合に導入することができます。その業務を進める手段や、時間配分の決め方など、具体的な指示を使用者がしないと決めたものについて、あらかじめ「みなし労働時間」を定めます。その上で労働者をその業務に就かせた場合に、その日の実際の労働時間が何時間であるかに関わらず「みなし労働時間」分労働したものとする制度で、労働基準法第38条の3・4に規定されています。裁量労働制を採用するには、使用者と労働者の間で事前に取り決めをしておくことが必要です。使用者が一方的に導入を決めることはできません。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

難しいことを引用させていただきましたが、簡単に言うとデザイン事務所は「何時間働こうが予め定めた労働時間分しか給与をもらえません」という制度を導入しているところが多いです。ちなみに、以下の業務が対象となります。

  • 新商品・新技術の研究開発、または人文科学・自然科学の研究の業務
  • 情報処理システムの分析・設計の業務
  • 新聞・出版の事業における、記事の取材・編集の業務、放送番組の制作のための取材・編集の業務
  • デザイナーの業務
  • 放送番組、映画等の制作の事業における、プロデューサーまたはディレクターの業務
  • コピーライターの業務
  • システムコンサルタントの業務
  • インテリアコーディネーターの業務
  • ゲーム用ソフトウェアの創作業務
  • 証券アナリストの業務
  • 金融工学等の知識を用いる金融商品の開発業務
  • 大学での教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る)
  • 公認会計士の業務
  • 弁護士の業務
  • 建築士の業務
  • 不動産鑑定士の業務
  • 弁理士の業務
  • 税理士の業務
  • 中小企業診断士の業務

上記に該当しない企業でインハウスデザイナーとして働くことができれば、労働時間に見合った給料をもらえます。(もちろんダラダラと仕事をしていれば、別の評価軸で減給される可能性も大いにあります…!)

2.需要と供給の違い

十数年前に比べ、専門学校や大学専攻でデザインを学べる環境が増えたことでデザイナーになる人が急増しました。華やかなイメージの広告業界やデザイナーという肩書きへの参入障壁が低くなり、ちびちびとおちょこに少量入った銘酒が美味かった時代から、大ジョッキに並々注がれて有り難みが薄くなってしまっている時代に…。

仕事は数多あれどデザイナーが多ければ、その分価値が分散され、給料の変動も少ない。
転職を繰り返してもデザイナーの数が減るわけではなく、これまた給料の変化もありません。
このデザイナー飽和世界で戦っていても一握りの人しか「稼ぎ」を得ることはできません。

ほしぱんだ
ほしぱんだ

僕が初めて転職したときも5,000円しか給料は変わりませんでした。単純に転職活動がヘタクソなだけですが、経験が薄い状態で転職してもそこを逆手に取られてたらい回しになるだけです。


一方、インハウスデザイナーはデザイナー飽和世界とは別の世界で戦う唯一無二の勇者的存在です。
例えば僕の場合、教育関係の会社なので「先生」「営業」「事務」と大きく3職種に分けられます。
従業員が100人だとすると50人が先生、20人が営業、20人が事務、残り10人が特殊能力を持った人たち。そのうちの1人にデザイナーが入ります。

100人のうち80人がデザイナーの世界で戦うより、100人のうち1人がデザイナーの世界で戦うほうが稀少価値が高くなり会社への貢献度も評価されやすく自ずと給料も上がります

インハウスデザイナーの仕事

プロフィールにも載せていますが、僕がインハウスデザイナーになってから経験した業務はさまざまです。あくまで一個人の経験した1社のみのお話なので参考までにどうぞ!

デザイン業務

まずはデザイン業務で実際にあったものを。

名刺・名札

僕が務める会社では一部ベンチャー的な要素があり、グループ会社が新設することが何度かありました。そこで異動になったスタッフや採用したスタッフの名刺作成をします。また、教育関係の会社のためスタッフ一人ひとりが首からかける名札のデザインも作成しました。

ほしぱんだ
ほしぱんだ

外注でデザイナーに発注するまでもない「名札」のデザインなんかはインハウスならではの制作物です。結構喜ばれるのでモチベーションになります!

ロゴデザイン

名刺と合わせてグループ会社の新設に必要になるものがロゴ。企業ロゴ以外にもサービス名のロゴ作成や来客時の手書き案内看板作成などもありました。

キャラクターデザイン

自社キャラクターの制作です。webや紙媒体、営業車のラベリングなど幅広く自社広告に使用される広告塔になります。ブランドイメージに直結するものなので社長や役員も同席する会議でヒアリングをしたり、パターン出し等半年弱かかったプロジェクトです。LINEスタンプの制作もありました。

ほしぱんだ
ほしぱんだ

もともとイラストが好きなので、キャラクターデザインをできるのは夢のようでした!自分の描いたキャラクターが世の中に出回ると我が子のようで愛おしいです。

ランディングページ(LP)

webデザインの経験はゼロだったので、illustratorやphotoshopのみでデザインを作成し、コーディングのみ外注するというサボりを働きました。今の時代デザイナーを名乗るならwebの知識は必須ですね。ここは反省ポイントです。

チラシ・DMデザイン

最も多いのがチラシです。キャンペーンやセミナー、採用、DMはがき等サイズや用途は多岐にわたります。基本的に自社のものなので常にアンテナを張って情報収集をしていれば素材に困ることはありませんが、インハウスなりたての頃は各所に自社のことを聞き周るのが緊張しかなくて大変でした。

ほしぱんだ
ほしぱんだ

一番多い分、デザインフォーマットを作ってしまえば動き出しが楽になります。それから日々の素材データ整理も重要です!スタッフの写真、建物の写真、サービスロゴ、社長の紹介文等よく使うコンテンツの整理を日頃からしておきます。

変わり種

色紙のイラスト:退職者への色紙イラストがだいたい回ってきます。
PCの不具合チェック:デザインをしているとPCが得意と思われて修理屋さんみたいになります。
社内リフォーム:社内の一部スペースをカフェ風にリフォームしたいと言われ、やったこともないインテリアデザインをする。

一般業務

インハウスならではの楽しみでもあるデザイン以外の業務です。先の記事にも載せていますが、デザインだけやりたい!という人はデザイン事務所がオススメです。

教員資格取得

具体的な資格名は控えますが、教育関係の会社なので教える仕事にも携わってほしいと言われ、会社にいながら取得できる教員資格を取得しました。えげつない量の暗記と高度なコミュニケーション力が必要な実技があり、かなり苦戦しましたが「先生」と呼ばれてみたいという不純な動機で取得までこじつけました。

なので、デザイン以外にも教員をしています

接客

僕が務める会社はBtoCがメインなので、当然接客もあります。
サービスを購入してもらうために説明や営業、契約などの案内も必要になるため受付に立って接客もしています
正直ここはやるつもり無かったです…。コミュニケーションが得意なわけではないので。
接客面の成績はそこそこですが、もともと人と関わりながらデザインをしたいと思って転職をしたので楽しさも感じています。

採用

本ブログのメインテーマにも挙げていますが、新卒・中途採用もしていました。(現在は違います)
デザイナーから教育関係への転職経験や昔から人の目を気にして生きてきた習性が発揮されたのか、採用チームのリーダーに引き抜いてもらい2期分の採用担当をさせてもらいました。
ドームでの会社説明会や社内研修の企画・実施など、これまでにない経験ばかりで試行錯誤でしたが、自分が不真面目にしてきた「就活」について魅力を感じることができた期間です。

ほしぱんだ
ほしぱんだ

こちらの採用・就活については別コンテンツでお役立ち情報も更新していきます!


ここまでインハウスの「稼ぎ」と「仕事内容」について紹介をしてきましたが参考になりましたか?
正直なところインハウスでも業種や会社の考え方によって大きく違うので、転職を考えている方は面接で本音で話し合うことが大切です。

まとめ
・インハウスは安定した収入は見込めるが業務幅が広いためデザインに集中はできない
・デザイン一本で経験を積んで「デザイナー」として生きていきたいならデザイン事務所
・「稼ぎ」を増やすなら稀少価値を自分に持たせること